漢方って奥深い!! コラム第三回 ≪寒熱について≫
2015.01.19
漢方の心
皆様こんにちは。日々お天気が変わりますが体調の方はいかがですか?
漢方的に申しますと、お天気で体調変化が現れるメカニズムが実際にあるようです。前線や低気圧の急激な低下で減圧によって体内にヒスタミン物質ができ体内の水分がたまってしまい、平滑筋の収縮、血管の透過性、炎症反応が増強されるため、気象病が誘発されます。
また気象変化が自律神経に影響をあたえ、最初は副交感神経の感受性が亢進し、ついで交感神経の感受性が亢進し、両神経が過敏になることで自律神経のバランスが崩れ、頭痛がしたり古傷が傷んだりするようです。原因がわかると、少し自分の体調を意識し体調管理することができますね。
さて今回は陰陽、虚実に続き、熱証と寒証(寒熱)についてお話していきます。
●寒熱
病気の性質を現す概念、陰陽の平衡が乱れて起こるもの。陰陽を狭い概念で捉えると寒熱になる。
●寒
新陳代謝が衰えて、寒冷の状を示す場合を寒と呼ぶ。寒証には自覚的に冷えを感じるものと他覚的に冷たくなっている物とがある。またその原因により、寒邪の侵襲による場合(実証性の寒証=実寒)と陽気の不足(虚証性の寒証=実寒)による場合とがある。
- ある時は新陳代謝の沈衰を意味し、
- ある時は寒冷を意味し、
- ある時は邪を意味し、
- また悪寒を意味する
- 体温が40℃を超えていても漢方の立場からは「寒」であることがある
なお古典に寒とある場合に寒邪すなわち外邪を意味することがある。傷寒の寒はこれに属する。
●真寒仮熱
真の熱ではなく仮の熱で、寒の方が真である。この真寒仮熱を真の熱と誤って
- 寒冷の薬を用いると病症はかえって増悪する。
- 真寒仮熱の場合は四逆湯(附子、乾姜、甘草)で寒を温めると仮の熱はかえって消える。
- 熱があっても、脈は遅であり、大でも力がなく、尿は清白である。
●熱
新陳代謝の亢進、火、体温上昇。熱証にも自覚的、他覚的なものがる。熱邪の侵襲による場合(実証性の熱証=実熱)と陰気の不足(虚証性の熱証=虚熱)とがある。
熱証 | 寒証 | |
顔色 | 赤い | 青い |
舌質 | 紅色が多い | 淡白色が多い |
寒がり? | 冷気を好む(冷房好き) | 暖気を好む(暖房好き) |
冷える? | 顔や四肢にほてりがあり | 四肢が冷える |
飲み物 | 冷たいのが好き | 温かいものが好き |
おりもの | 濃くて少量の帯下 | うすくて大量の帯下 |
月経 | 早めに来て量が多い | 遅く来て量が少ない |
≪ 一覧へ戻る