漢方って奥深い!! コラム第四回 ≪表裏について≫
東洋医学のコラムも第4回となって参りました。
これまで弁証八鋼のうち陰陽、虚実、寒熱を説明してきましたが今回は表裏についてお話していきます。表裏とは?漢方の世界では、病気は最初表面から入って、病状が重くなるに従って内部奥深くまで進行すると考えられています。
例えば外邪(ウィルス)が外から侵入し風邪をひく。これが長びく事によって内臓まで侵攻し肺炎になる、この場合肌に近いところが「表」で内部が「裏」になります。表面と内部の対立なのです。
具体的には表は皮膚や肌をさし、裏は腸管および隣接部・骨髄をさし、半表半離とは横隔膜に隣接する部をさします。
<表証と離証>
●表証
頭痛、頚肩背部のこり、悪寒、悪風、発熱、鼻炎、のぼせ、関節痛、手足の冷え
脈は浮
●裏証
悪熱、腹痛、腹満、嘔吐、下痢、または便秘、小便が多いまたは少ない、血尿
脈は沈
●半表半裏証
めまい、咽の渇き、胸脇苦満、往来寒熱、口苦、脈は玄
※表証は外感病の初期、つまり外邪を感受することによって発症する。裏証は外邪が体内の深部に侵入した場合または内因や不内外因によって起こる場合(内傷病としての裏証)があり、いずれも臓腑の機能失調を伴っている。
病気にはここが悪くなったら、今度はここが悪くなりやすいというような順番が幾通りもあります。これを病気の進行段階ということもありますが、一番最初に不具合が生じた部分を表、病気が進行してより深刻な状態になって進んでいった部分を裏と表現しています。
腰痛が起こった場合、腰痛にも色々原因があります。「何故腰痛が起こったのか?」を考えると例えば腎臓が悪くなって毎日姿勢は猫背で前かがみ、そういったところから腰痛が発症したとすれば、腎の病気が表となります。
この場合元々腎臓が悪い事に起源している訳ですから、いくら腰だけマッサージしても駄目なんですね。腎臓を治さない限り。
東洋医学では、どんな病気も根本から治療しましょうということなのです。